春一番が吹いて、今朝は雨になった。おとといまでの寒さがうそのようだ。
三善英史の歌った曲。
雨に濡れながら たたずむ人がいる
傘の花が咲く 土曜の昼下がり
「日陰の女」の哀しさと強さを表現した作品で、大ヒットした。彼はこの後、花街に生きる母親を歌った曲も発表して、独特のポジションを築いていたと思う。
恋はいつの日も 捧げるものだから
じっと耐えるのが つとめと信じてる
子どもだった私は、この曲を聞きながら何を思っていたのだろうか。「大人って大変なんだ」「恋愛すると損得は考えないのかな」etc.
還暦が近づき、酸いも甘いも噛み分けた(?)はずの今でも、分からないことだらけだが、何といっても不可解なのは、色恋に関わること。道ならぬ恋とか結ばれない二人とか…。歌の世界では、永遠のテーマと言っても良いものだろう。
幸か不幸か「男と女」のドロドロしたものとは、一歩も二歩も離れたところで生きて来られた。ドラマチックなストーリーの、小説や映画や歌は大好きだけど、そんな「現実」は勘弁してもらう感じ。
この曲もそうだが、現実にあることをどこまで、美化・誇張・歪曲した上で、普遍性を持たせられるかが作詞家の腕の見せ所だろう。あくまで、空想の産物だが、だからこそ「限界」があって、行き過ぎるとヒットしないということなのだろう。
「そんな人がいるはずない」「そんな人がいたらちょっと良いな」「そんな人が本当にいたら怖い」
聞く人にいろいろな思いを抱かせる詞が、流行歌には欠かせない。
最近の歌(曲)に疎いので、私の空想を掻き立ててくれるような魅力的な人物や設定の作品を、紹介して下さい。